【登壇レポート】新潟市発達障がい支援センターJOIN様のオンラインセミナーに登壇しました

2025年11月15日、新潟市発達障がい支援センター「JOIN」様主催のオンラインセミナーで登壇する機会をいただきました。当事者の方やご家族、支援職の方々など160名を超えるみなさんにお申し込みいただき、90分間にわたって「発達特性と片づけ」をテーマにお話ししました。

依頼のきっかけと準備

ご依頼をいただいたのは、2025年6月のことです。日本ライフオーガナイザー協会(JALO)を通じて、新潟市発達障がい支援センター「JOIN」様より「発達障がい×片づけをテーマに、当事者・ご家族の方に役立つセミナーを」というご相談をいただきました。

セミナー当日までの約5か月間、担当者様とはオンライン会議でのキックオフに始まり、主にメールでやり取りを重ねました。コンテンツを固める前に、JOIN様に普段相談に来られている方の年齢層やお悩みの傾向を丁寧に伺う機会もいただき、タイトルは「発達特性を知って始める!ひとりひとりにあった環境づくり」に決まりました。

10月に参加受付が始まると、申込者の方からの事前質問をこまめにご共有いただきました。書類整理の困難さ、お子さんへの声かけの悩み、「やらなきゃと思っても始められない」という切実な声など、寄せられた質問ひとつひとつがコンテンツをブラッシュアップするヒントになりました。

セミナー概要

日時2025年11月15日(土)13:30〜15:00
主催新潟市発達障がい支援センター「JOIN」
形式オンライン(Zoom)
テーマ発達特性を知って始める!ひとりひとりにあった環境づくり
対象発達障がいの当事者・ご家族、および支援者(医師・教師・保育士・支援事業所スタッフ等)
申込者数167名
当日参加者数116名

参加者の層は非常に幅広く、発達特性をもつお子さんを育てる保護者の方、成人後のお子さんを持つ親御さん、当事者の方、そして支援の現場に立つ専門職の方まで多彩でした。

セミナーの内容構成

① 「片づけ」という複雑なタスクを分解する

まず最初にお伝えしたのは、「片づけはそもそも難しい」という前提です。片づけは単純な作業に見えて、実は「計画を立てる・優先順位をつける・判断する・行動に移す・継続する」というステップが連動する、高度な脳の働き(実行機能)を要するタスクです。

② 「怠けているわけではない」を出発点に

特性によってつまずくポイントは人それぞれです。「できない」には必ず理由があります。

自分や家族の行動パターンを観察・記録し、「どの段階で止まってしまうのか」を把握することが、自分に合った環境づくりの第一歩です。「片づけて」という一言が、いかに多くのステップを一度に要求しているかを理解することが、支援者にとっても大きな視点の転換になると感じています。

③ 特性に合わせた環境づくりの視点

書類整理の工夫、ラベリング、収納の仕組みづくり、お子さんや家族へのサポート方法など、具体的な場面に沿ってお伝えしました。大切にしたのは「苦手をすべて克服しようとしない」という考え方。ツールや仕組みをうまく活用しながら、自分が楽になれるラインを見つけていくことが、片づけを暮らしの「土台」として機能させる鍵です。

参加者の声

アンケートでは65件ものご回答をいただきました(満足66.2%、やや満足30.8%、合計97.0%)。一部をご紹介します。

片づけが、複雑で難しい作業だということが分かった。何で躓いているのかに合わせた対応策を知ることができた。

「片づけて」と一言で指示することが、どれほど複雑な作業を要求しているか理解できました。相手の作業のしやすさを一緒に考えるようにしたいと思います。

特性や一人一人にあったやり方・工夫をすることが大切で効果的であること、片づけはそもそも難しいという事を知ることができ、意識も変わった。

「捨てるところからはじめない」という言葉に勇気づけられました。自分がこれからどんな生活をしていきたいか、そのための環境調整なんだと考えると片づけもできます。

私自身が完璧を目指そうとしてできないと諦めていたのに気が付きました。今日できることを考え、サイズを小さくして取り掛かろうと思います。

障がい支援として受講したが、自分自身に役に立つ情報もたくさんあった。その人に合った方法を一緒に考えて支援していくことが重要だと理解できた。

発達特性がかたづけ困難にどのように影響するのかを考える視点を知ることができた。何より本人が安心・心地よいと思える環境を整えるという視点が参考になった。

片づけられない相談が多いので、具体的な対処法が分かり参考になりました。発達障害と片づけを、明確かつ体系的に関連付けた内容で、これからの指導に有効だった。

JOIN様からのまとめコメントより:

「参加された皆さまそれぞれに心に残ったことや今後活かせそうなことなど多くの気づきと学びを得る、とてもよい機会になったと思います。参加者層が幅広いにも関わらず、どなたが聞いても有益な内容にしていただき感謝申し上げます。」

セミナーを通じて感じたこと

今回印象的だったのは、参加者の層の幅広さです。発達特性のある小学生を育てる保護者の方、一人暮らしの成人のお子さんを持つ親御さん、当事者の支援者でもある当事者の方、そして医師・教師・保育士・就労支援の現場で働く専門職の方まで、それぞれの立場から「発達特性×片づけ」に真剣に向き合ってくださっていました。

アンケートの声を読むと、「片づけはそもそも難しい」という理解が出発点になること、そして「怠けているわけではない」と知るだけで当事者にとっても支援者にとっても大きな変化が生まれることを、あらためて実感しました。

一方で、「もっと初期レベルの対策を知りたかった」「質疑応答の時間があるとよかった」という率直なご意見も届いています。90分という時間の制約のなかで十分にお伝えしきれなかった部分は、今後の課題として受け止めています。

発達特性により生活に支障が出ている方への片づけのニーズ・関心が非常に高いことを再認識しました。今後も、お困りの方たちへ必要な情報とサポートが届くよう、活動を続けていきたいと思います。

セミナー・講演のご依頼について

「発達特性と片づけ」「ライフオーガナイズ」「自分に合った環境づくり」をテーマとした講座・セミナーのご依頼を承っています。企業・自治体・支援機関・学校など、オンライン・対面どちらの形式にも対応可能です。
日本ライフオーガナイザー協会(JALO)を通じてのご紹介も可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。