「そろそろ片づけたいな」と、ふと思った日のこと。
覚えていますか?
その「思いはじめた日」は、すでに大切な一歩が踏み出されている日です。
ある日、「このままでいいのかな」とふと思う。
「もうちょっと、片づいた家で暮らしたいな」
テレビで誰かの整った部屋を見たとき。
友人の家に遊びに行ったとき。
クローゼットを開けて、ため息が出たとき。
「思いはじめた」その日は、とても大切な日です。
でも多くの方は、その日のことをすぐに忘れて、「私、何もできていない」と自分を責めてしまいます。
──昔の私もそうでした。「思いはじめてから何ヶ月経った?」「結局、何も変わっていない自分」と、責める気持ちばかりが大きくなっていました。
今は、「思いはじめた」段階には、その段階だからこそ大切にしたいことがある、と知っているから自分を責める気持ちは少なくなりました。
「片づけたい」と思いはじめた時点で、もうスタートの一歩
心理学者のジェームズ・プロチャスカが提唱した「変化の段階モデル」では、人が変わるとき、6つの段階を経ると言われています。
「片づけよう」と動きはじめる前に、必ず通るのが「気にしはじめた段階(熟考期)」。
「そろそろ何とかしたい」と頭の中で考えている時期です。
この段階を、「何もしていない時期」ととらえるか、「すでに動きはじめている時期」ととらえるか。
これによって、その後の進み方が大きく変わります。
私はライフオーガナイザーとして15年、たくさんの方の片づけに伴走してきました。その経験からそれは、「思いはじめた段階」を大切にできた人ほど、その後の片づけが続いていくと確信しています。
ちなみに、家族との段階のずれについては、「私だけ片づけたい」休日に気づいた、家族との”段階”の違いでお話ししました。今日は、自分自身の段階に焦点を当ててお伝えします。
なぜ、片づけのやる気が出ても動けないのか
「片づけたい」と思っているのに、なかなか動けない。
これは、段階の特性です。
気にしはじめた段階の特徴は、こんな感じです。
- 「やったほうがいい」と「面倒くさい」が同居している
- 具体的に何から始めればいいのかわからない
- 動こうとすると、別のことが気になる
- SNSで片づけ情報をたくさん見るが、自分の家には適用できない気がする
これは「やる気のなさ」でも「ダメな自分」でもなく、段階の自然な姿です。
植物にたとえれば、土の中で種が水を吸い込んでいる時期。芽はまだ見えないけれど、確実に変化は始まっています。
無理やり芽を出させようとすると、種を傷めてしまう。
動けない時期には動けない時期の意味があるのです。
片づけのやる気を消さないための、3つの心がけ
大切なのは、せっかく芽吹いた「思いはじめた気持ち」を、消さずに育てていくこと。
私が実践してきた中で、しっくりきた3つの心がけをお伝えします。
① 「思いはじめた」を、書き留めておく
頭の中で考えていることは、霧のように消えてしまいます。
スマホのメモでも、紙のノートでも構わない。「いつ、なぜ、どうしたいと思ったか」を、ひとことだけでも残しておく。
これだけで、「思いはじめた気持ち」が形になり、消えにくくなります。
「2026年5月、リビングのソファ周りが落ち着かないと感じた」──この一行を残せたら、もう動きはじめています。
② 自分を急かさない、責めない
「思いはじめてから何ヶ月も経つのに、何もできていない」
そう感じたとき、ストップ。
気にしはじめた段階は、人によって数日のこともあれば、数年続くこともあります。
「ここで足踏みしていてもいい」と、自分に言ってあげる。
急かすほど、動きにくくなる段階だからです。
ライフオーガナイズが大切にする「人が主役」の考え方は、ここでも生きています。一人ひとりに、その人のペースがあります。
この考え方については、モノを減らして整える”だけ”では何も変わらないでも触れています。
③ 「全部」ではなく「ちいさな一カ所」を選ぶ
「家全体を片づけたい」と思うと、途方に暮れます。
でも、「玄関の靴箱の上だけ」「冷蔵庫の野菜室だけ」だったら、できる気がしませんか。
気にしはじめた段階の人にとって、「ちいさな一カ所」を選ぶこと自体が、次の段階への準備になります。
大事なのは、その一カ所を「今日やる」ことではなく、「ここからかな」と選ぶこと。選ぶ作業は、自分の中で「動く準備」を整えてくれます。
片づけに動き出さない自分を、許してあげる
気にしはじめた段階の自分に、いちばん必要なのは、「許し」かもしれません。
「片づけられない自分」
「いつまでも思っているだけの自分」
「やる気が続かない自分」
そんな自分にイライラする日があっても、大丈夫。
「思いはじめた」だけで、もう前の日の自分とは違うのです。
植物が土の中で水を吸い込んでいる時期。
芽吹くタイミングは、その人の中で決まっています。
外から見て「動いていない」ように見えても、内側では確かに何かが変わっていく時期です。
習慣が動き出すまでの過程については、習慣を変えるコツ”とライフオーガナイズでも書いていますので、よかったら覗いてみてください。
「片づけたいと思った日」を、覚えておこう
あなたが「片づけたい」と思いはじめた日。
その日は、何ヶ月後、何年後の自分にとって、始まりの日になります。
すぐ動かなくていい。
急がなくていい。
ただ、その日の気持ちを、ちいさく大切にしておく。
それだけで、暮らしは少しずつ変わっていきます。
整える暮らしは、いつ動きはじめても、間に合います。
整える暮らしの伴走、ご相談ください
HABITUSMILE(ここらくオーガナイズ)では、「思いはじめた」段階の方の伴走も大切にしています。
「動きたいけど、何から始めたらいいかわからない」「ひとりだと続かない気がする」──そんなお気持ちのまま、ご相談ください。
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▼ シリーズ次回予告
第3弾「片づけが始められない人へ|「明日からやる」の壁を超える3つのコツ」(近日公開)

ライフオーガナイザー®として、特にADHD傾向のある方や片づけが苦手な方をサポート。完璧主義や罪悪感、思い込みなど、片づけの障害となる心理的要因に寄り添い、無理なく続けられる仕組みづくりを提案しています。
2012年からこの分野を学び、2023年にアメリカの専門団体「Institute for Challenging Disorganization®」にて日本人初のCPO-CDを取得。
「片づけの負担を減らし、自分らしい人生を楽しめる人を増やしたい」との思いで活動中。




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