「明日からやろう」と思って、何日経ちましたか?
その「明日」が来ないのは、あなたのせいではないかもしれません。
準備段階だからこそ大切にしたい、最初の一歩の選び方をお伝えします。
前回の記事では、「動けない自分」を、土の中で水を吸い込む種のように大切にしてください、というお話をしました。
あれが「熟考期」──気にしはじめた段階のお話。
今回は、その種が芽吹くための「ちいさな水」のお話です。
「明日」ではなく「今日の3分」。
「決意」ではなく「ちいさな許可」。
それが、準備期の話です。
「明日からやろう」
そう思った日が、何度ありましたか。
休日の朝。
ぼんやりとコーヒーを飲みながら、「来週こそ片づけよう」と思う。
そして、来週になっても、また「来週」になる。
「私って、本当にダメだな」と思いますか?
違うんです。「明日が来ない」のは、ダメだからじゃない。
準備が足りていないだけのことが、ほとんどです。
──昔の私もそうでした。「来週こそ」「連休になったら」「子どもが大きくなったら」と先延ばしにしている自分が、嫌でたまりませんでした。
今は、違います。「準備の段階」と「動く段階」の違いを知ってから、必要以上に自分を責めなくなりました。
「明日からやる」と言える時点で、片づけの準備期に入っている
心理学者のジェームズ・プロチャスカが提唱した「変化の段階モデル」では、「気にしはじめた段階」の次に、「準備をしている段階(準備期)」が訪れます。
「明日からやろう」と口に出している時点で、あなたはもう、準備期に入っています。
気にしはじめた段階の人は、「やったほうがいいかな」と思うだけで、まだ「いつやるか」は考えていません。
準備期の人は、「いつ」「どう」を考え始めています。
大きな前進です。
でも、「いつ」「どう」を考えているだけで、まだ動きには至っていない。
準備期は、飛行機が滑走路を走っているけれど、まだ離陸していない時期に似ています。
片づけを始められない、3つの隠れた理由
準備期にいるのに、なかなか「動く日」が来ない。
その背景には、いくつかの「隠れた理由」があります。
理由①:始めるハードルが、自分にとって高すぎる
「片づけよう」と頭に浮かぶとき、多くの人は大きすぎるイメージを持っています。
- クローゼットを全部出して、仕分けして、収納を見直す
- 家中の不用品を分別して捨てる
- 収納用品を買い足して、ラベリングまで完了させる
これは、5km走ったことのない人が「明日からフルマラソン」と言っているような状態。
動けないのは、当たり前です。
理由②:「正解の片づけ方」を求めすぎている
SNSやテレビで、たくさんの片づけ方法を目にします。
こんまりメソッド、家事ヤロウ流、無印良品の使い方、IKEAの収納術。
「どれが私に合うんだろう」と考えているうちに、選びきれず、何も始まらない。
これは、準備期にハマりやすい罠です。
大切なのは、正解を見つけることではなく、自分に合うやり方を試行錯誤すること。
このことについては、「片づけが苦手」じゃない、自分に合う方法を知らないだけでもお話ししています。
理由③:「明日の自分」に期待しすぎている
「明日からやる」と言えるとき、私たちは「明日の自分」に期待しています。
明日の自分は、今日より気力があり、時間があり、決意も固いはず。
でも実際の「明日」が来ると、今日と同じように疲れていて、忙しい。
そして、また「来週からやる」と言う。
「明日の自分」を信用しすぎると、いつまでも動けない。
「今日の自分でもできる、ちいさな一歩」が、本当のスタートラインです。
片づけを始める、ちいさな橋を架ける3つのコツ
準備期から、実際に動きはじめる「実行期」へ。
この橋を渡るためのコツを、3つお伝えします。
コツ①:「5分だけ」を、自分に許可する
「30分やろう」ではなく、「5分だけ」。
5分やってみて、気が乗らなかったら、やめていい。
この「やめていいルール」が、準備期の自分を実行期に押し出してくれます。
動きはじめる「最初の数分」さえ越えれば、不思議と続けたくなることもあります。
コツ②:「明日」ではなく「今、目の前」を選ぶ
「明日からやる」ではなく、「今、目の前にあるこの一カ所だけ」。
洗面台の鏡の周り。コーヒーカップの戸棚。財布の中。
1メートル四方くらいのスペースを、3分だけ整える。
これなら、「準備」「決意」「明日」がいらない。今すぐできます。
整える習慣がどう育つかについては、習慣を変えるコツ”とライフオーガナイズもご参考に。
コツ③:「動いた自分」を記録する
3分でも5分でも、動いたら、記録する。
「2026年5月、洗面台の鏡周りを片づけた」と、ひとことだけ。
これが、後になってボディーブローのように効いてきます。
「あ、私、ちゃんと動いていた」という事実の積み重ねが、次の動きを引き寄せます。
準備期は、いつまで続いてもいい
準備期から実行期へ、すぐに移行する人もいれば、何年もかかる人もいます。
どちらが正しいということは、ありません。
大切なのは、「準備期にいることを、否定しない」こと。
準備期は、動くための土台を整えている時期です。
あなたの中で「動こう」が育っていく時期です。
「思いはじめた」段階のあなたへのメッセージは、「片づけたい」のにやる気が出ない理由とその育て方でお伝えしました。
「準備期」のあなたへ、今、お伝えできるのは、こうです。
「明日」が来なくても、大丈夫。
「今、3分だけ」が、本当のスタートになります。
整える暮らしの伴走、ご相談ください
HABITUSMILE(ここらくオーガナイズ)では、準備期から実行期への橋渡しをサポートしています。
「動きたいのに、なぜか動けない」「最初の一歩がわからない」──そんなお気持ちのまま、ご相談ください。
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▼ シリーズ次回予告
第4弾「片づけが続かない人のための、続けるコツ|失敗を前提にした習慣づくり」(近日公開)

ライフオーガナイザー®として、特にADHD傾向のある方や片づけが苦手な方をサポート。完璧主義や罪悪感、思い込みなど、片づけの障害となる心理的要因に寄り添い、無理なく続けられる仕組みづくりを提案しています。
2012年からこの分野を学び、2023年にアメリカの専門団体「Institute for Challenging Disorganization®」にて日本人初のCPO-CDを取得。
「片づけの負担を減らし、自分らしい人生を楽しめる人を増やしたい」との思いで活動中。




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