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片づけがうまくいかない原因に、自分でも気づいていない「困りごと」が隠れていることがあります。
ファクトシートや質問票を活用することで、クライアントが自分自身では気づいていない課題を明らかにし、「ラクになる方法がある」と気づくことができます。
片づけがうまくいかない本当の理由
多くの人は、自分の暮らしに慣れてしまい、不便さやストレスを“当たり前”として受け入れています。
たとえば、
- 料理の前に毎回モノをどかすのが習慣になっている
- 同じものを何度も買ってしまう
- 家に人を呼ぶことができない
こうした状況は十分に”困っている”ことなのに、自覚がないケースがとても多いのです。
困っていると感じないので、改善・状況を変える必要性を感じない。クライアントが感じている困りごとと本来解決した方がいいポイントがズレている可能性がある。
それが片づけがうまくいかない理由の1つです。

先日、家族と病院に行く機会があり、医者から「他になにか困っていること、聞きたいことはありますか?」と聞かれました。家族は「特にない」と回答していましたが、私が日常生活から感じていた困りごとがあったので、「これについてはどう?」と家族に聞いてみたところ、「それはいつものことだから」という返事でした。
その状況が頻繁に起きていてうまくいっていないことがあるにも関わらずです。
私はこのやり取りのなかで、オーガナイズ現場でのクライアントさんとのヒアリングや作業での会話を思い出しました。
質問シート(ファクトシート)が「気づき」を引き出すツールになる

質問に答えるだけで見えてくる、自分の暮らしの“クセ”
私が現場で活用しているのが、ICD(Institute for Challenging Disorganization)が提供しているファクトシートや質問票です。
たとえば「CQLS(クラター・クオリティ・オブ・ライフ・スケール)」は、管理しきれないモノ(クラター)が個人のウェルビーイングに与える影響について自己評価できるよう作成された18項目の質問票です。
「家で何か作業をする際、モノを動かしてスペースを作らなければならない」
「家のどこに何があるか分からず、持っているものをまた買うことがよくある」
「自宅のクラターを見ると嫌な気持ちになる」
などの質問に答えていくことで、クライアントが自分の暮らしに潜む“やりづらさ”に気づくきっかけになります。
「あなたは慢性的に片づけられない(CD)状態にありますか?(Fact Sheet 001)」では、
「書類を見える場所に置いておかないと忘れる」
「“いつか使う”と思って手放せないモノが多い」
といった問いに触れることで、そういえばこんなこともあったかもしれないと自分のクセに気づく方も多くいます。
「私だけじゃない」と思えることが、安心と前進につながる
ファクトシートを通して、クライアントは“自分の状態”を言葉で確認できます。
そして、「同じように感じている人がいる」と知ることで、
「私だけが片づけられないわけじゃなかった」
「これって“性格の問題”じゃないかもしれない」
と、視点が変わっていきます。
片づけの悩みには、背景があると知るだけで変わる
「モノが散乱した状態に関連する要因(Fact Sheet 004)」では、管理しきれないモノが増える背景にADHD、うつ、不安障がい、脳の特性、人生の転機など、さまざまな要因があると明記されています。この情報が、クライアントにとって“安心できる根拠”になります。
“困っていた”ことに気づき、“ラクになれる”と知った瞬間は、新しい選択肢と希望が生まれる瞬間でもあります。
片づけに悩んでいる方こそ、自分の中の「困っていること」に気づくことが、改善の第一歩です。
ファクトシートや質問票は、その気づきをやさしく促してくれる心強いツールです。
“うまくいかない理由”を一人で抱え込まず、言語化してみましょう。
ひとりで難しい場合は、お近くのオーガナイザーにご相談ください。
あなたが気づいていなかった困りごとに気づくことで、片づけがラクになる可能性はきっと広がります。
脳の特性により片づけが難しい方へのサポート方法を学ぶCLOプログラムメンバーとの勉強会で、ファクトシートについて話し合った際の記事はこちら


ライフオーガナイザー®として、特にADHD傾向のある方や片づけが苦手な方をサポート。完璧主義や罪悪感、思い込みなど、片づけの障害となる心理的要因に寄り添い、無理なく続けられる仕組みづくりを提案しています。
2012年からこの分野を学び、2023年にアメリカの専門団体「Institute for Challenging Disorganization®」にて日本人初のCPO-CDを取得。
「片づけの負担を減らし、自分らしい人生を楽しめる人を増やしたい」との思いで活動中。