片づけのプロ向けに慢性的に片づけられないクライアントへの対応基礎知識講座を開催しました

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片づけのプロ向けに慢性的に片づけられないクライアントへの対応基礎知識講座を開催しました

「CD状態にあるクライアントの基礎知識講座」とは

片づけ支援に関わる片づけのプロ(ライフオーガナイザーに限らず)が、日常生活に支障をきたしているCD状態(Chronic Disorganization)にあるクライアントのサポートに対面する際に、知らないことによる不安を解消し適切な対応を取るために、

  • CD状態のクライアントについて基本的な知識を学び、「もしかしたら…」と気づける
  • CD状態でなくても、現場で役にたつ言葉がけのポイントとオーガナイズ手法を学ぶ
  • もっと詳しくCD状態にあるクライアントへの対応について知りたくなる

ことを目的とした講座です。


【YouTube】慢性的な片づけの難しさとは? What is Chronic Disorganization?

基礎知識講座でお伝えしていること

Q: CD状態って、どんな状態のこと?

ICDが定義しているCD状態とは

  • 長い間片づかない状態がつづいている
  • 片づかないことで日常生活がうまく回らない
  • 自分で片づけてもうまくいったことがない

診断名ではなく、誰にでも起こり得る身近な困難としてICDではこの状態を定義しています。

👉 ただの「片づけが苦手」ではなく、支援的な視点が求められる状態です。

Q: 講座ではどんな内容を学べるの?

CD状態の定義と事例を交えての解説

クライアントが抱える見えにくい困難さ

支援者としてできる声かけや関わり方の工夫

ワークを通して“本人視点”を体感

👉 知識だけでなく、ワークなどを通して現場での感覚や共感を育てる内容が詰まっています。

講座参加者の反応は?

どこにハードルがあり、どのように関われば改善につながるのか知りたくて参加しました。特性は人それぞれ違う、理解し配慮した上で関わることの大切さを学びました。

初めて高齢者のご自宅片づけの依頼を受けることになり、脳の特性や機能をより理解した上で現場に立とうと思い受講しました。クライアントからのメールへの返信ワークが印象的でした。実際のオーガナイズ作業をスムーズに進めるために、クライアントの思いや作業行程などもっと見える化して情報共有しながらやっていこうと思いました。

現場でクライアントと接する中で対応が難しいことがあり受講しました。現場で片付けが出来ない方に対応するときに、出来ない事にばかりフォーカスして、それをどう解決したらいいだろうという事ばかり考えていたので、クライアントが出来ている事は助ける必要がなくて、苦手な事を助けるという視点が足りていなかったと気づきました。今一度、基本に戻って、自分のやり方を見直していきたいと思います。

3時間の講座ですべてを伝えきるのは難しいですが、ちょっとでも「これならできそうかな?」と思っていただけたらうれしいなと思ってお伝えしています。

CD状態のクライアントへの支援の今後

近年、片づけに困難を抱える方々への支援として、発達障害やHSPといった特性をもつ当事者自身が片づけの資格を取得し、支援者として活動するケースが増えています。自らの経験をもとに語られる言葉には説得力があり、「同じように悩んできた人がいる」という安心感をクライアントにもたらす場面も多くあります。こうした当事者による支援は、共感や信頼の面で非常に大きな力を持っています。

しかし、その一方で「自分と似た経験を持つ人には寄り添えるが、異なる背景や困難を持つ人への対応が難しい」「感情的に近くなりすぎてしまい、適切な支援の距離感が保ちづらい」といった声が聞かれるのも事実です。片づけの困難さが、単なる整理整頓の苦手さではなく、認知や感情、時間感覚、環境の影響など、さまざまな要素が複雑に絡み合っていることを考えると、支援の現場にはより専門的な視点と技術が求められているのです。

こうした背景から注目されているのが、アメリカの団体ICD(Institute for Challenging Disorganization)と提携し提供されているCLO(Certified Life Organizer)プログラムです。

北米での長年の実践と研究をもとに構築されており、クライアントの尊厳を尊重しながら、段階的に暮らしの再構築をサポートする体系的な方法です。現在では多言語に翻訳され世界各国に広まっています。

医療や福祉との連携を前提としたチーム支援も視野に入れており、単なる「片づけアドバイス」ではない、より深いレベルでのサポート方法が学べます。

今後は、当事者の経験に専門性を掛け合わせたハイブリッドな支援スタイルがますます重要になっていきます。CLOプログラムがその一助となり、CD状態にある方々が「わたしのための支援」と感じられる機会が増えていくことを願っています。

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