どんなことを意識して質問していますか? CLOメンバー勉強会

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どんなことを意識して質問していますか? CLOメンバー勉強会

日本ライフオーガナイザー協会の専科資格(上級資格)の1つにCLO(サーティファイドライフオーガナイザー)資格認定プログラムがあります。

CLO資格認定プログラムは、アメリカのICD(Institute for Challenging Disorganization)のプログラムをベースに、日本の片づけ支援現場に合わせて構築された、片づけに困難を抱える人への支援に特化した専門的なプログラムです。

CLOプログラムを受講しているメンバーで毎月勉強会(任意参加)を開催しています。毎月メンバーから出てきたアイデアや勉強会の中で出てきた新たなテーマで雑談形式で進んでいきます。

今月の勉強会のテーマは、前回のADDコーチングの流れから「訊く」「質問」でした。

「聞く」と「聴く」と「訊く」の違い

ライフオーガナイザーになるための1級資格認定講座では、ライフオーガナイザー®としてクライアントにサービスを提供するための知識と技術を実践的かつ実用的に学べる講座です。その中で、クライアントへのヒアリングについて学ぶ中で「きく」という行為についてしっかりと学びます。

「聞く」

音や声が自然に耳に入ってくること

受動的な「きく」で、英語では「hear」に相当

例:音楽が聞こえる、鳥の鳴き声が聞こえる

「聴く」

意識を向けて、注意深く耳を傾けること

能動的な「きく」で、英語では「listen」に相当

例:音楽を聴く、講演を聴く

「訊く」

質問したり、尋ねたりすること。

自分が知りたいことを積極的に問いかける。英語では「ask」に相当。

例:本音を訊く

ライフオーガナイザーは「訊く」を意識して、クライアント自身の思いや困りごとに寄り添います。

「きく力」と「問いかけの質」が支援の鍵になるとき

勉強会はまず、「ヒアリング」と「アセスメント」の違いについてまとめた資料を紹介し、それぞれ現場で質問をする際にどんなことを意識しているかを共有しながらスタートしました。CLO受講メンバーの中には獣医師や心理カウンセラー、ケアマネージャーや介護福祉士として長年の経験があるメンバーもいます。

どのメンバーも、クライアントの日常生活や困っていること目標に寄り添い丁寧にヒアリングし、よりよい提案ができるように向き合っていました。

「人が主役」の片づけを行うライフオーガナイザーにとって、クライアントの主観的なことをきくヒアリングも重要。客観的に困りごとを分析して最適な解決策を見出すためのアセスメントも重要。

「この人、なにに困っているんだろう?」
「どうすれば暮らしやすくなるだろう?」

オーガナイズサポートをする中で、そんな問いを抱えることは少なくありません。目の前の状態だけでは見えない、言葉の奥にある背景や価値観を探るときに必要なのが、“きく力”と“問いかけの質”です。

どんなときにどんな場面でどのような意図をもってどのような質問を投げかけるか、何気なく行っている質問も掘り下げてみるとスキルアップのチャンスがたくさんあります。

片づけの苦手さに向き合うということ

私がクライアントと向き合うときに意識していることは、ヒアリングでクライアントの思いや願いを聞き取ることだけでなく、クライアントが気づいていない思いや困りごと・できていること・苦手なことを見つけ出すこと(アセスメント)です。

CD状態にある方にとって、自分の困りごとを言葉にすることは決して簡単なことではありません。多くの人が、「なぜ片づけられないのか」「どこから手をつければいいのか」分からず、ただ日々をこなすのに精一杯という状況の中にいます。

そもそも「自分の状態を言語化する」という行為は、その道のプロでない限りとっても簡単ではないはずです。だからこそ、私たちオーガナイザーが、相手の言葉をじっくり聴き、丁寧に問いかけることが求められます。

ただし、その“問いかけ”も、実はとても繊細なスキルです。
問いかけが一歩ずれて違う意味にとられてしまうと、クライアントにプレッシャーを与えたり、傷つけてしまったりすることもある。だからこそ私たちは、「どう訊くか」「どの言葉を使うか」を日々探りながら、実践を積み重ねています。

一方で、クライアントの内面に深く入りすぎないこと――つまり“バウンダリー(境界線)”を保つことも、支援者として大切な意識です。片づけのプロの多くは心理職ではありません。心の専門家ではないからこそ、「聴けないことは、無理に聴かない」「深く踏み込むときは、信頼できる専門職と連携する」という判断が求められます。

ライフオーガナイザーとしてできることは、「暮らしの中でできる変化を、一緒に見つけていくこと」。
話してくれるまで待つ、無理に引き出さない、その“余白”の中に生まれる信頼関係が、支援の土台になっていくのだと思います。

片づけの苦手さに向き合うことは、その人の暮らし、価値観、そして人生と向き合うことでもあります。私たちは、言葉にならない思いに耳を傾けながら、そっと背中を押すような存在でありたいです。

いきなりサポート依頼が難しい方は

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