片づけが続かない人のための、続けるコツ|失敗を前提にした習慣づくり

「片づけはじめたけれど、続かない」。
そう感じているあなたへ。
「続かない」のは失敗ではなく、続ける道のりの一部です。「続かない」を前提にした、続ける工夫をお伝えします。

動きはじめた。

「今日からやる」と決めて、クローゼットを開けた日。
「3分だけ」と決めて、洗面台を整えた日。
その日のあなたは、確かに前に進んでいました。

でも、3日後。1週間後。気がつくと、もとの暮らしに戻っている。
「やっぱり、続かない」と、また自分にがっかりする。

──昔の私もそうでした。「動きはじめたのに、また戻ってしまった」と、何度も自分を責めていました。

今は、違います。「続かない」のは失敗ではなく、続ける道のりの一部だと知っているから。

片づけが続かないときに来る、揺り戻し

心理学者のジェームズ・プロチャスカが提唱した「変化の段階モデル」では、「動きはじめた段階(実行期)」が、最も揺り戻しが起きやすい時期と言われています。

新しい行動を始めたとき、私たちの脳と体は、「いつものリズム」に戻ろうとします。
これは怠けでも、意志の弱さでもなく、体に備わった自然な動きです。

呼吸が、息を吸ったあとに必ず吐くように。
新しい習慣も、進んでは戻り、進んでは戻りを繰り返しながら、少しずつ定着していきます。

続かないことを「失敗」と考えると、続けられない。
続かないことを「リズムの一部」と考えると、続いていく。

片づけが続かないときに必要な3つの工夫

15年、ライフオーガナイザーとしてたくさんの方の片づけに伴走してきました。
「続かないけど続けている人」に共通する工夫を、3つお伝えします。

工夫①:戻ることを、最初から想定しておく

「絶対に続ける」と決めて始めた人ほど、戻ったときのショックが大きい。
そして、立ち上がるのに時間がかかる。

逆に、「戻る日もあるだろうな」と戻ることを最初から想定している人は、戻っても、また始められる。

戻る → 気づく → また始める。
この3ステップの繰り返しが、本当の意味での「続けている」状態です。

「3歩進んで2歩下がる」が、変化の自然な姿。
「2歩下がった」だけ見て自分を責めるのは、もったいないことです。

工夫②:「やる日」を増やすより「やらない日のリカバリー」を考える

続けるためのコツとして、「毎日◯分やる」を目標にする方が多い。
でも、これは続かない人が陥りやすい罠です。

大切なのは、「やる日を増やす」ことではなく、「やらなかった日の翌日に戻れる仕組み」を持つこと。

たとえば、こんな仕組み。

  • 朝のコーヒーと一緒に、3分だけ整える(きっかけを既存の習慣に紐づける)
  • 1週間に1日「お休みの日」を最初から決めておく(罪悪感をなくす)
  • 2日連続で休んだら、3日目だけは何かする(リカバリーのルールを作る)

習慣化のコツについては、“習慣を変えるコツ”とライフオーガナイズでもお話ししています。

工夫③:「やったこと」を見える化する

続けている実感が持てないと、人は続けられません。
逆に「ちょっとは進んでいる」が見えると、続く力が湧きます。

カレンダーに丸をつけるだけでもいい。
整えた場所の写真を撮るだけでもいい。
SNSに投稿しなくていいから、自分の中で「見える化」をする。

1週間続いたら、必ず振り返る。
「あれ、私、けっこうやってるじゃん」という発見が、次の1週間を支えます。

「続けている自分」のものさしを、ゆるやかに

多くの人は、続けるためのものさしを厳しく持っています。

  • 毎日30分やった → 続けている
  • 1日でもやらなかった → 続いていない

このものさしだと、ほとんどの人が「続いていない人」になります。
そして、続いていないと感じた人は、辞めてしまいます。

ものさしをゆるやかにしましょう。

  • 1週間に3日でもやれば、続けている
  • 1ヶ月に1回でも見直せば、続けている
  • 「やろう」と思った瞬間があれば、続けている

こちらのほうが、現実の私たちに合っています。
そして、不思議とこちらのほうが、結果的に長く続きます。

「人が主役」というライフオーガナイズの考え方は、ここでも生きます。
その人にとっての「続けている」の基準は、その人にしか決められません。
このことについては、モノを減らして整える”だけ”では何も変わらないでも触れています。

続ける、続かない、を超えていく

準備期から実行期へ、橋を渡る話を片づけが始められない人へ|「明日からやる」の壁を超える3つのコツでお伝えしました。
橋を渡ったあとの「続ける時期」も、実は前後しながら進んでいきます。

続いた日。続かなかった日。
進んだ日。戻った日。

そのすべてが、整える暮らしの呼吸です。
息を吸って、吐いて。動いて、休んで。
そのリズムが、暮らしを少しずつ整えていきます。

「続かない」も、続けるうちのひとつ。
そう思えると、ふっと肩の力が抜けます。


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▼ シリーズ次回予告
第5弾「片づけの維持が難しい方へ|リバウンドしない暮らしの作り方」(近日公開)

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