「無理に捨てなくていい」と言われて、それで終わってしまうのが心配です。本当に物は減りますか。
この質問は、検索してもあまり出てきません。でも、問い合わせの文面にはよく入っています。「寄り添うだけで何も変わらないのが心配で」と続くことが多く、もっともな心配だと思います。これまでに優しい言葉だけで終わって、部屋はそのままか一時的に片づいてすぐに逆戻り、という経験をした方もいます。
先に答えると、減ります。ただ、減らすことを最初の目標にはしません。先に変えるのは、物が戻せる形になっているかどうかで、減るのはその結果として起こります。
違いは、何を見ているか
捨てるか捨てないかを主軸におくと手が止まります。捨てたくない人に捨てる話をしても、身構えるだけで物は動きません。
私が見ているのは、その物が使える場所にあるか、使ったあと戻せるか、です。そこを先に整えると、本人が物を見る目が変わります。使いたい物が使える場所にあると、使っていない物が「使っていない」とわかってくるからです。
分けると、自分で決められる
捨てられない人でも、分けることはできます。
これは使う。これは使っていないけれど持っていたい。これは使っていない。この三つに分けて、それぞれの置き場を決めます。すると「使っていないけれど持っていたい」の量が、棚一段分なのか、部屋の半分なのかはっきりします。
見えて初めて、手放すかどうかを本人が決められます。決める順番が逆なのです。先に捨てるかどうかを聞かれると決められない人が、分けて置き場が決まったあとなら、自分で決めていきます。
こうして本人が「これはもう使わないかもしれない」と自分から手放した物は、あとで揉めません。誰かに捨てさせられた物は、次に何かを買うときの理由になります。減り方の質が違います。
約束しないことと、言えること
「何袋減ります」「二度と戻りません」とは言いません。物の量も、戻り方も、暮らしによって違うからです。
言えるのは、暮らしの空間が実際に変わるところまで一緒にやる、ということです。「無理に捨てなくていい」と言って帰ることはありません。最初に捨てる話をしないのは、現状を変えるための順番です。
減った量より、戻せた例
減った量より、戻せた例のほうを話すようにしています。
テーブルの上に物がなくなった家で、ひと月後にまた少し物が乗る。でも、決めた場所に戻せるので、長くかからずに元に戻る。戻せる家は、減った量に関係なく、暮らしが楽になっています。
それでも減らない場合は、減らないことに理由があります。持っている理由を聞いて、置き方を変えます。減らないまま暮らしやすくする道もあります。
やってみるなら
捨てる物を探すのをやめて、いちばんよく使う物を10個、手の届くところに置き直してみてください。減ってはいないのに楽になった、という実感がわいたらそこから先は続けやすくなります。
はじめの一歩プラン(1回・2.5〜3時間・11,000円)では、この「分けて置き場を決める」を一か所でやります。減らすかどうかは、そのあとで決めればいい形です。
この質問を動画でも
「よくある質問」は、オーガナイズサポートを頼むか迷っている段階で届く問いに、一つずつ答えるシリーズです。問い合わせや初回前のやり取りで実際に出た言葉をもとにしていますが、個人が分かる形では書いていません。

ライフオーガナイザー®として、特にADHD傾向のある方や片づけが苦手な方をサポート。完璧主義や罪悪感、思い込みなど、片づけの障害となる心理的要因に寄り添い、無理なく続けられる仕組みづくりを提案しています。
2012年からこの分野を学び、2023年にアメリカの専門団体「Institute for Challenging Disorganization®」にて日本人初のCPO-CDを取得。
「片づけの負担を減らし、自分らしい人生を楽しめる人を増やしたい」との思いで活動中。




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