「片づけ、まだやらなくていい」と思っているあなたへ。
急かしません、責めません。
ただ、いま思っていることを、否定しないでほしいだけのお話です。
SNSを開けば、「片づけ」の文字。
テレビをつければ、「整理収納」の特集。
友人と話せば、「最近こんまりにハマって」という話題。
世の中は、なんだか「片づけたほうがいい」という空気にあふれています。
でも、あなたは思う。
「私、別に片づけなくてもいいかな」
「困っていないし」
「こういうことに、興味が持てない」
そんなあなたに、まず伝えたいこと。
それは、その気持ちでいい、ということです。
──実は、私自身もかつて、そんな時期がありました。仕事と子育てに追われて、片づけのことなんて、考える余裕も興味もなかった。
「片づけなきゃ」とSNSの誰かが言っていても、心がまったく動かなかったのです。
「やらなくていい」と思える、その理由を尊重する
心理学者のジェームズ・プロチャスカが提唱した「変化の段階モデル」では、「関心がない段階(前熟考期)」が、変化の最初の段階として扱われています。
この段階の人は、変える必要を感じていません。
そして、変える必要を感じていないことには、ちゃんと理由があるのです。
- 今、片づけより大切な何かと向き合っている
- 暮らしの優先順位が、片づけ以外にある
- これまでのやり方で、特に困っていない
- そもそも、自分の興味と片づけは方向が違う
これらは全部、正当な理由です。
「やらなきゃダメ」と外から言われる筋合いのものではありません。
「やらなくていい」と思っている人を、急かしてはいけない理由
家族や友人から「片づけなよ」と言われたとき、心の中で何が起きているか。
「私のことなんてわかってない」
「うるさいな」
「言われるとよけいやりたくなくなる」
こんな反応が起きるのは、急かされたからです。
急かされた人は、その段階を出るどころか、もっと深くその段階に居座るようになります。
これは、感情の自然な動きです。
変えようとされた人は、変えないでいる自分を守ろうとする。
家族の反応については、ライフオーガナイザーはストレス上手でも触れています。
だから、家族や友人から「片づけたら?」と言われても、気にしなくていい。
そして、自分自身に対しても、急かさないでください。
もし、何か変わるとしたら、それは「外」ではなく「内」から
「やらなくていい」と思っている人が、ある日「やってみようかな」と思う瞬間がある。
それは、ほぼ例外なく、外からの言葉ではなく、内からの気づきがきっかけです。
- 家族との大切な時間に、家のことが気になって集中できなかった
- 探し物をするうちに、なんだか気持ちが重くなっていた
- 誰かの整った空間を見て、ふと「気持ちいいな」と感じた
- 季節の変わり目に、なぜかモノを減らしたくなった
こういう、ふとした内側の動き。
それが本当の「気にしはじめる」タイミングです。
そのタイミングが、3ヶ月後かもしれない。3年後かもしれない。
あるいは、来ないかもしれない。
どれであっても、あなたの暮らしが正しいのです。
「やらなくていい」と思える土壌を、大切に
「やらなくていい」と思える人は、ある意味で整っている人でもあります。
外の声に流されず、自分の優先順位を持っている。
これは、暮らしの土台として、とても大切な強さです。
その土壌を、急かして掘り返すよりも、そのまま大切にする。
もし、内側から「変えてみようかな」と芽が出てきたら、そのときに自然に動き出せばいい。
植物が芽吹くタイミングを、土壌は知っています。
あなたの中の土壌も、必要なタイミングを知っています。
もし、いつか興味を持ってくれたら
このシリーズを書きながら、ずっと考えていたことがあります。
それは、「片づけは、人を選ぶものではない」ということ。
片づけが好きな人もいれば、興味のない人もいる。
整えるのが楽しい人もいれば、面倒に感じる人もいる。
どれが正解、どれが不正解、というものではありません。
もし、いつかあなたが「ちょっと興味あるかも」と思った日が来たら。
このシリーズが、その入口になれたらうれしいです。
- 家族との温度感のずれを感じたら → 「私だけ片づけたい」休日に気づいた、家族との”段階”の違い
- 「そろそろやろうかな」と思いはじめたら → 「片づけたい」と思いはじめた、その日からのこと
- 整えた暮らしを長く続けたくなったら → 「もう困っていない」と思える日まで
でも、急がなくていい。
無理しなくていい。
あなたが、あなたのままでいられる暮らしが、いちばん大切です。
「人が主役」というライフオーガナイズの根っこの考え方は、ここに繋がっています。
整えるかどうか、整え方をどうするかは、その人自身が決めること。
このことについては、モノを減らして整える”だけ”では何も変わらないでもお伝えしています。
シリーズを終えて。
この6本のシリーズを通して、お伝えしたかったこと。
それは、暮らしや家族や自分には、それぞれの「今の段階」がある、ということ。
段階は、上下のあるものではありません。
段階は、目指すべきゴールでもありません。
段階は、ただ「今、ここにある状態」です。
その「今」を否定せずに、ただ眺める。
そこから、何かが変わるかもしれないし、変わらないかもしれない。
どちらでも、いいのです。
あなたの暮らしが、あなたにとって心地よくありますように。
シリーズを最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
整える暮らしの伴走、ご相談ください
HABITUSMILE(ここらくオーガナイズ)では、「いつか整えてみたいかも」と感じた方の最初の一歩に伴走しています。
急かさず、責めず、その人にとっての心地よい暮らしを一緒に考えます。
「ちょっと話を聞いてみたい」というだけでも、ご相談ください。
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▼ プロチャスカ6本シリーズ・全記事リンク
第1弾:家族が片づけに協力しないとイライラする方へ|温度差を解消する考え方
第2弾:「片づけたい」のにやる気が出ない理由とその育て方
第3弾:片づけが始められない人へ|「明日からやる」の壁を超える3つのコツ
第4弾:片づけが続かない人のための、続けるコツ|失敗を前提にした習慣づくり
第5弾:片づけの維持が難しい方へ|リバウンドしない暮らしの作り方
第6弾:片づけが苦手・興味がないあなたへ|急かさない選択肢の話

ライフオーガナイザー®として、特にADHD傾向のある方や片づけが苦手な方をサポート。完璧主義や罪悪感、思い込みなど、片づけの障害となる心理的要因に寄り添い、無理なく続けられる仕組みづくりを提案しています。
2012年からこの分野を学び、2023年にアメリカの専門団体「Institute for Challenging Disorganization®」にて日本人初のCPO-CDを取得。
「片づけの負担を減らし、自分らしい人生を楽しめる人を増やしたい」との思いで活動中。




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